紫根で染めてみる
植物染織の1つで紫紺をやりたくなりました。
綺麗な紫色に惹かれた私です。
結論からいうと難易度が高いし、手間がすごくかかりました。
私はさらしなどの木綿をメインで染めましたが、本来は絹などが基本で木綿を染めるのは難しいみたいです。
それでもそれらしい色に染まったので載せておきます。
個人的には充分成功だと感じています。
用意した道具
用意する道具ですが
・紫根
昔は薬にも使われていました。
・ホワイトリカー(お酒)
紫根は染料の抽出が難しいので、アルコール度数の高い方法で抽出が主流らしいです。
お店でも専用の抽出剤が紹介されていましたが、お酒を採用してみましたが、抽出に数日の時間がかかりました。
藍熊で販売しているクリーンコールを使用してみた方が抽出は早いし、濃厚な液がとれます。
1時間もあれば濃厚な染液が抽出できました。
無水エタノールでも試しましたが、こちらも抽出に時間がかかりました。
・容器
ボールでも大丈夫です。
群雲用にお茶の入れ物を追加で用意しました。
・紫根を入れる透過性のあるものを用意してください。
お茶を煮出すものだといいです。
私は透過性が良すぎた関係で、紫根の粉が大量に発生しました。
ろ過すればよかった。( ノД`)シクシク…
完成した染液に浸ける
【クリーンコールの場合】
3時間浸けてみました。
取り出した瞬間は赤い色をしています。(糸はアルミ媒染)
1時間ほど空気に触れると色が変化しました。
【お酒の場合】
1晩置いて軽く揉んだ状態です。
1リットルほどですが、濃くなりましたね。
これで終わりではなく、更に1~2回抽出しました。
実際はもっと抽出可能らしいです。
染めた布です。
両方とも焼きミョウバンのアルミばいせんです。
左が複数回染めたもの
右が一晩で1回染めたもの
暑い中で、干す⇒染めるを繰り返して濃い色になったのかもしれません。
直射日光は避けたんですが、陰干しすれば良かったです。
そこから追加で、5回以上染めています。
黒っぽい粉は紫根です。
ろ過をしっかりすればある程度除去できます。
紫根は繰り返し染めるのが基本のため、単独で雪花技術に使うのは難しいです。
後日夏の日差しにあてた所、紫色が黒ずんでしまいました。
気温40度だったので直射日光で紫根の色素限界温度70度を超えたのかも( ゚Д゚)
次の写真は1回紫根で染めたものに藍染をしたものです。
写真だと紫色がほとんどわかりませんが、白い部分が全部薄紫になっており、藍との境目がエメラルドグリーンとなっています。
説明しないと分からないレベルです。
群雲技法も試してみましたが、薄く染まりました。
10回くらい染めたんですが、重ね初めも効果が薄いですね。
そもそも絹以外は染まり難いので仕方ないんですが・・
こちらは再度1晩液に浸けたものです。(やきみょうばん)
普通に綺麗な模様になりました。
ガラス模様みたいでいいですね。
【クリーンコールで染めた糸】
上:染め1回目 下:お湯で煮出した色
上:染め2回目 下:染め3回目
同じ駅で繰り返し染めると段々と薄くなります。
媒染のタイミング
アルミ媒染だけでも綺麗な紫色となります。
たまにやると媒染を使うのを忘れてしまったので、そのときの記録です。
事前に豆乳媒染⇒アルミ媒染⇒紫根で染める と順番でやるのですが、アルミ媒染を抜いたら、色が薄くなってしまいました。
そこで紫根液にアルミ媒染を追加して、新しい糸で染めてみました。
豆乳媒染⇒紫根+アルミ媒染 となります。
3日間ほど液に浸け続けたら黒っぽくなりました。
紫色を求めるのであれば、数時間浸ければ充分だったようです。
まとめ
染織の難易度が高いです。( ゚Д゚)
・紫根染織は絹染めが基本ですが、木綿の場合でも豆乳下地をすれば綺麗に染まりました。
・クリーンコールで染めると効率良くそめられる。(費用千円程)
・ろ過をしっかりしないと粉が残ります。(やらないと後処理が大変)
・熱に弱い、70度で色素が壊れます。(黒くなる)
かなり手間がかかりますが、アルミ媒染で紫色が出せるのが嬉しいですね。
下記で藍染と合わせた雪花技法にチャレンジもしています。
ただし、紫根(白色)部分と藍色が混ざってしまい、紫色⇒グレー色になってしましました。
紫根は単色染めがベストですね。
重ねると紫色が消えてしまいます。
紫根色は綺麗な色でした。
また、挑戦してみたいと思います。
昔の人惹かれた理由が分かる気がしますね。(^_-)-☆