雪花絞り技法(その1)
藍染めで染織する方法を写真付きで載せました。
初回からでも上手に出来るようにポイントを書きました。
これから始めるの参考になるように情報を惜しみなく載せています。
詳しく知りたい人はこちらの動画をご覧ください。
用意するもの
藍染めの場合は下地と媒染は無くても問題なく染められます。
使うことにより染め具合が変わりますが、最初から挑戦する必要はありません。
もしやりたい人は、こちらに記載しています。
下地とばいせん
こちらも上のリンクに理由が書いてあります。
省略をすると色が色と模様が若干変化します。
藍染の場合は下地なしでも充分綺麗に染まります。
ただ、私は模様に深みを加えたいので下地を使用していますが、そこまで無理にやる必要もないと思います。
アイロンがけ
まず「しわ」を取りましょう。
「しわ」が雪花染織で良い味になると思ったんですが、折りたたむときにズレが生じるためアイロン必須でした。
今は裁縫コテのアイロンを使用しています。
手軽に折り目も作れるので、楽に作業が出来ます。。
早く買えば良かったと後悔しています。…
続いて雪花染めに必須アイテムの三角板を使います。
作り方はこちらを参考に
四角の板でも作ることは可能です。
作成したサイズに合わせて布を折ります。
必ずアイロンで綺麗に折りながら畳みましょう。
アイロンを省略すると綺麗に折れないため、その部分の模様が雑になります。
くしゃくしゃの状態で染めるイメージです。
折り紙で折り方も紹介しているので、分からない場合はそちらを参考。
三角形を合わせます。
三角形に合わせて折る
裏返して折る
その都度アイロンをすると綺麗になる
三角形の角は定規を使用すると、角が綺麗になります。
裁縫用アイロンがあれば不要です。
交互に繰り返して折ると三角形が完成
輪ゴムで固定
木の間に挟み込みます。
繰り返し使うと板に染み付いた模様で色移りが発生します。
これはサランラップを使うことで防げます。
挟むときのポイント。
・強く挟むと染み込みが弱くなります。
にじみが美しさのポイントなので、強いと線だけの模様になります。
布が抜けないくらいが丁度いいです。
・木からはみ出すと、その部分はしっかりと染まります。
木の大きさを変えることで模様が変化しますが、最初は気にしないで大丈夫です。
水について
私は大和藍を水に溶かしていますが、水道水だと酸性になります。
ソーダ灰などでアルカリ性にしますが、火をかけた鍋を冷やすことになります。
最近はスーパーで売っているアルカリイオン水を使用しています。
アルカリ性⇒酸性の変化の過程で発色するため、本当に綺麗に染まりますよ。
もっと早く気づきたかった(´;ω;`)ウゥゥ
液作りについて
藍が酸化している場合、ソーダ灰とハイドロサルファイトを加えます。
アルカリ性になるまでに時間が30分ほどかかるので、それまで待ちましょう。
30分経過しないで使用すると酸性からアルカリ性に変化する過程で染めるため、模様に不思議な結晶が入ります。
液に浸す水温
理想の水温は25度くらいがベストです。
高すぎても低すぎても染まり具合が変わります。
【夏場】
そのまま温度で使用できます。
液に浸けている間も温度変化が少ないので特に何もしないでいい時期です。
【冬場】
最初に30~40度のお湯で藍液を作ります。
放置するとすぐに冷めるため、私はバケツに沸騰したお湯を入れ、その中に添える容器を入れて温度を維持するようにしています。
冬場の冷たい水で薬剤を溶かそうとしたら、模様が乱れました。
夏場であれば気にしないで大丈夫です。
電子レンジで無理やり温めたら何故か酸性よりになってしまい。染まりが悪くなりました。温める場合は40度あたりまでに抑えましょう。
液に浸す時間
これも答えはありませんが、三角形の底辺から浸ける場合は50~55分くらいにしておけば問題ないと思います。
花を作るのであれば50分あれば綺麗な模様が出来上がります。
私は液量で微妙に調整しています。
染め方のポイント
浸した部分から内側に染み込みます。
時間経過とともに液に浸した部分以外も染まります。
この浸食状況は絞り(ゴムの強さ)の強弱で変わります。
更に浸食時間も影響します。
こちらの赤い絵柄が染め時間60分の模様
注記:イメージのため実際とは異なります。
・浸している部分は濃く染まります。
・染み込んだ部分も染まるが、液から離れると薄くなる。
・輪ゴムの強さ、液の配合で浸透率が変化する
三角形の模様について
実際に染みと模様の関係について
全部頭に入れる必要はないですが、角と辺によって模様が構成されるのが分かります。
放置する
液に浸けると徐々に浸食される。
浸食の度合いが柄になるんですが、このバランスが難しいです。
放置中は万力で締めると模様がスッキリとしますが、放置中はうっすらとにじみ模様が発生します。
これも好みが分かれますが、私の基本染はこのような形となります。
・先端を染める場合は放置なし
・底辺を染める場合は放置あり
(写真)3分の1を浸けて、3分の1を浸食させた状態
40分前後放置
・放置により染料を更に染み込ませます。
・放置するときの方向によって、残った液が重力によって浸食されます。
・浸食を利用で更に模様を作ることも可能
【放置パターン】
放置するときに重力の方向に浸食がすすみます。
三角の頂点に浸ける場合は、浸食を広げたく場合は下の状態を維持すると
浸食が抑えられます。
浸ける ⇒ 放置
この道具があると放置が楽になります。
三角形を逆にしてもバランスがとれる
放置するときに、逆にすることにより浸食させることも可能。
このタイミングで万力で絞ると更に工夫ができます。
薬品と浸ける条件が同じなのに、絵柄が変わります。
万力で絞る
・放置後に木を万力の力で更に絞ります。
万力の締め付け具合も手で軽く絞る位の力がベストだと思います。
全力で実施するとクリオネ模様が花から線になります。
写真の白い部分を「クリオネ」と勝手に呼んでいます。
このとき染料が染み出しますが、方向を変える工夫により模様に変化を与えることが可能です。
試しに逆さにして、絞った画像
これで白い部分も薄く染まります。
・一度絞れば万力は外して問題ありません。
絞ったあとで染めると、隙間から染料が染み込んで模様が崩れます。
水洗い
・水の中にいれた状態で、輪ゴムを外します。
空気に触れると更に青くなる瞬間が楽しいですね。
色止め液の中に浸ける
色落ち防止ため忘れずに浸けておきましょう。
忘れてしまうと、洗濯時に色が抜けてしまいます。
私は藍染専用の色止め剤を使用しています。
乾かす
洗ったあとは乾かすだけです
藍染と柿渋は日干しですが、エコ染料は日陰干しとなるので注意
日の当たりで発色が変化するため、
晴 :藍染、柿渋
くもり・雨:エコ染料
と使い分けも大切です。
藍染めの面白いのが、次の日になると模様が落ち着きます。
カレーが熟成されるのと同じように、藍も熟成されるかもしれません。
技法のまとめ
今回は数パターン実践しましたがこれらを意識すると
様々な絵柄が作れると思います
まとめ
私が注意しているポイントをまとめてみました。
水温はここまで真似しなくても染まります。
・水はアルカリイオン水
・板締めは強く締め付けない
・染織剤の配合(藍の量・苛性ソーダ・ハイドロサイファイト)
・染織の水温(25度位)
・浸ける時間(頂点15分、底辺50分)
・万力で絞るときの強さ
・放置するときの向き
参考に他の藍染の模様を一部載せておきます。
すぐに試してみたい人はこちらのキットで簡単に実践できます。
世界に1つだけの作品を作れますよ。